コストパフォーマンスの高い食材とは

近いうちに貧乏暮らしをすることになるかもしれないので、なるべく安価かつ最低限の栄養が取れる食材について調べました。ポイントは

・1円あたりのカロリー、タンパク質がなるべく多く、脂肪は少なめに

・野菜は別枠なので除外

です。最低限食べていれば死なないための食材を調べることが目的なので、カロリーの少ない野菜は除外しました。もちろん野菜を食べないと体調が悪化するので、これは別の機会に調べます。

また現代人は概して脂肪を取りすぎますが、これは外食・中食のせいです。どちらもコストあたりのカロリーを上げるために安い油を使った揚げ物中心になりがちだからです。自炊だと揚げ物は面倒なので食べる機会はぐっと減りますが、やはり少なめが良いでしょう。

食物は通販とスーパーからサンプリングしました。具体的には穀物類をkakaku.comや楽天市場で検索し送料込みの値段を調べ、肉魚乳製品(とパスタ・食パン)は手元にあるイオンの広告に書いてある値段を調べました。

栄養価はこのサイトから。強力でお勧めです。

リサーチ結果

リサーチ前の私の予想は「玄米+大豆が最強だろう、でも肉も必要かなぁ。安い肉は環境ぶっ潰してるから嫌だなあ」でした。

 

さてその結果は…

f:id:happyholiday:20150906091708p:plain

右側の4つの数字が重要です。kcal/円、タンパク/円、脂肪/円は、1円出すと何kcal・何gの栄養を得られるのか、を表した極めて実利的な値です。大きいほど良いです。

右端の脂肪依存度は今私が作った造語で、カロリーのうち何%を脂肪に依存しているかを表します。脂肪の重量×9kcal/総カロリーで計算できます。少ないほど良いです。

農林水産省/脂肪のとりすぎに注意 農水省によると脂肪依存度(脂肪エネルギー比率と呼ばれています)は30%を超えるとよくないそうです。

濃いオレンジ色が1位、薄いオレンジ色は上位5位まで、濃い水色はワースト1位、薄い水色はワースト5位までを表します。

カロリー・脂肪依存度では白米が圧倒的

カロリー部門では2位に1/4以上の差をつけた白米が堂々トップ。死にたくなければ白米を食べればよいということが分かりました。圧倒的パフォーマンスです。1日1500kcal食べればとりあえず飢え死にはしませんので、1日中白米だけで暮らすとするとなんと75.8円です。セブンイレブンでなんちゃってコーヒーを飲むより安い価格で1日生きながらえることができます。脂肪分も極端に少なく、ダイエットしたいならこれで決まりのように思えます。

しかし白米だけ食べていたら長期的には死にます。ビタミンミネラルがほとんどありませんので野菜と海藻の大量投入が必須です。コメはタンパク質もそれなりに含みますが75.8円分では25.8gしかありませんので大幅に不足します。なおタンパク質は大体体重のkgをgに直した分だけ取ることが推奨されています。一般的男性なら60~70gというところですね。すると25.8gでは所要量の半分以下ですので、補強する必要があります。

カロリー部門次点はイオンのパスタでした。これを食えば1日を104円で生き抜くことができます。白米よりはましですがやはり総合栄養価は不安です。3位の玄米は予想通り価格面で白米にコスパが劣りましたが、意外だったのは脂肪分が大幅強化されていたことです。とはいえビタミン類もミネラルも豊富なので、白米よりも野菜の量を減らせるメリットがあります。ただし玄米だけではカルシウム・カリウム・ビタミンB2が不足します。これを埋めるための食材を探さねばなりません。

死にたくなければ穀物を食え

小麦粉製品はトップではありませんが米にほぼ準じる優秀な成績です。加工食品である食パンは若干成績が落ちますがそれでも十分なコストパフォーマンスと言えます。

小麦粉はコメと比べてタンパク質含有量が多いメリットがあります。あとはビタミン・ミネラル類さえ摂取すれば死なずに済みそうです。全粒粉でパンを自作すればビタミン・ミネラルも取れますのでこれで十分かもしれません。全粒粉は玄米と似たようなビタミン・ミネラル構成ですがカリウム含有量が比較的多いため、残りの課題はカルシウム・ビタミンB2となります。

やはり穀物は基本食ですから全体的にコストパフォーマンスに優れています。死にたくなければ穀物食べてればいいです。

タンパク質・脂肪部門は大豆の圧勝

大豆の力がすごいですね。タンパク質・脂肪部門でいずれも2位に倍近い差をつけています。根粒菌は伊達じゃない。タンパク質を取りたいなら大豆で決まりですね。しかし脂肪分も多いので、大量に摂取できないデメリットもあります。とはいっても脂肪依存度は肉・魚の半分程度ですので、過剰に気にする必要はなさそうです。

驚いたのはイオンの何使ってるか分からない激安納豆でさえ大豆の1/3のコストパフォーマンスしかなかったということです。豆腐も同様。加工食品は食べやすい代わりにコストがかさむ、当然の結果ともいえます。加工品を買うぐらいなら大豆を米に炊きこむなどしてそのまま食べた方がよいですね。

大豆はビタミン・ミネラルも豊富です。穀物で不足するビタミンB2・カリウム・カルシウムも十二分に含まれており、特にカリウム含有量が優れています。穀物と大豆だけでほぼすべての栄養素を網羅できそうです。

大豆 – カロリー計算/栄養成分 | カロリーSlism

肉・魚は不健康かつコスパ最悪

一方肉・魚の比較結果は悲惨です。和牛はダントツのワーストワン、米国産牛でさえタンパク質パフォーマンスが大豆の1/17という結果になりました。TPPで関税が下がっても選択肢に上る余地すらありません。脂肪依存度も8割を占め、超不健康です。これは豚肉も同様でした。さらにサンマも脂肪依存度7割超と油まみれ、かつコスパ悪いという結果になりました。大衆魚の代表たるサンマがこんな散散な結果になるとは。。

シャケも期待の食材の一つでしたが脂肪が無い分カロリー円スコアが悲しい数値となりました。タンパク質の絶対量は多いですが価格高のためにタンパク質円スコアは低めです。残念。

肉・魚の中で唯一鶏むね肉だけはタンパク質スコアが高く、副食として採用できそうです。

外食・中食も非常に寒い結果

中食代表としてセブンイレブンのおにぎり・弁当、外食代表は吉野家・やよい軒に登場してもらいました。結果は全領域において最低レベルです。最も健闘したセブンイレブンのツナマヨですら白米の1/10以下のカロリー/円スコアです。我々がいかに彼らに中間マージンを支払っているかがよくわかります。ただしセブンイレブンはもっと安いコメを使ってるでしょうから、実際は1/10どころでは済まないでしょう。

デフレの申し子吉野家よりもなんとなく健康的に思える定食屋やよい軒を比較すると、コスパは当然として脂肪依存度も高いという結果にも驚かされます。

ここまで冷酷な数字を突きつけられるともう弁当なんて買えないし外食するのもばかくさいですね。

結論

やはり玄米+大豆の組み合わせがベストでした。全粒粉でもよいのですが大豆と一緒に調理しづらい、という欠点があります。

魚・鶏以外の肉はぜいたく品という位置づけで確定ですね。あとは適量の野菜・果物と、時々タマゴ・乳・鶏肉を取れば安く栄養満点の食生活が送れそうです。

ベストミックスを探す

玄米と大豆のベストミックスの割合を探してみましょう。とりあえず死なないレベルである1日1500kcal+タンパク質50gを玄米と大豆だけでカバーするとします。玄米xグラム、大豆yグラムとすると、

  • 3.5x + 4.17y = 1500 (カロリー)
  • 0.068x + 0.353y = 50 (タンパク質)

二元連立方程式 – 高精度計算サイト

上記の素晴らしいサイトを使わせてもらってこれを解くと

x=337.2(g)

y=76.7(g)

を得ます。つまり、1日当たり玄米2.25合+大豆0.5合強を食べれば生存可能ということがわかりました。コストは84.3+31.0=115.3円です。月3459円で生存できます。価格は今日短時間でリサーチしたものなので、ディスカウントストアなどを探せばもっと下がるかもしれません。

なお脂肪分は23.7g、脂肪分依存度は14.2%です。やや低めですがこんなもんでしょう。

厳密には炊飯器で1回コメを炊くと4円くらいかかるそうなので、実際の1日のコストは保温も含めて130円程度、月約4000円と考えればよさそうです。あとは少量の野菜、果物、時々タマゴ・乳・鶏肉を加えても月10000円を超えることはほぼありえないのではないでしょうか。希望が持ててきました。


コストパフォーマンスの高い食材とは」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。