3630 電算システム
中堅SI。情報サービス事業、収納代行サービス事業の二本柱です。
情報サービス事業はシステム開発とgoogleのサービスを売り込む事業がメインですが、システム開発にやや難があり、中間決算では不採算案件が発生し目標を大幅に下回りました。
収納代行サービスはコンビニ決済の料金回収業務で、右肩上がりのストックサービスという堅調な商売です。収入が減ることはなさそうですが、コンビニが全国に行き届いた今は、セブン銀行と同じく急激な成長は望めなくなるでしょう。
売上は5年以上安定して増加していますが、本決算ではシステム開発の不調のせいで利益率が通期目標を下回ることも考えられます。
最近の厳しい相場環境にもかかわらずなぜか爆上げしています。PERは約30倍。残念ですが見込みの成長率とかなり乖離しています。このあとは下がるだけでしょう。
8935 FJネクスト
資産運用型マンションの大手で、「ガーラ」シリーズを擁します。都心部の単身用物件が主力のため入居率は98.7%と素晴らしい数字を叩きだしています。ただしこの会社は賃貸で稼ぐのではなくマンションを売って稼ぐビジネスモデルですので、物件を作りまくらなければ成長はありません。都心の土地の空きがどれくらいあるかを考えると長期的に心配なモデルです。
一方管理事業も行っており、同マンションでの収益をバックアップしています。マンションが売れるほど利益が上乗せされるストックビジネスでしかも利益率も高いのですが、残念ながら売上は分譲代金の1/20程度に過ぎず、現時点では同社の利益を大幅に押し上げるほどではありません。収益が落ちてきたときの保険にはなりそうです。自己資本比率は不動産業者としては異例の60%超。無理なレバレッジをかけない姿勢は評価できます。
先週の2回目の下げでは大した被害を受けていません。PERは6.6倍と不動産業界の中でも低いレベルです。
悪くない成績ですが特筆するべきモデルでもありませんので、今後に期待と言ったところですね。
6722 エイアンドティー
血液検査製品の開発・製造・販売というニッチトップ業者です。血液検査という特殊な市場を扱うため市場規模障壁・技術障壁が高く新規参入が容易ではありません。「戦わない」ことに特化したビジネスモデルと言えます。
しかも同社はここ数年の企業努力により販管費率を大幅に減らし、利益率を6.5%→15.6%に急上昇させました。さらに昨今の市場環境の悪化により株価が爆下げし、PERはなんと1桁に。
4月の爆上げはおそらく来期予想+53.7%という激しい数字によるもので、その後過熱した後に中国ショックで過熱分が全部吹っ飛んだことになります。これだけ見ると買い時にしか見えません。
しかし血液検査業界は市場規模自体が小さく、大きな成長は望めないという大きな欠点があります。今年は企業努力で稼いでも通期決算で来期目標が小さく萎む恐れがあり、そうすると売りが膨らむでしょう。中国事業を展開しそうなところも不安です。長期投資には向かない銘柄と判断しました。
9468 カドカワドワンゴ
まだ高い。
ニコニコ関連の売上高が全体の1/4しかないのは意外でした。なお、最も利益率が高いのはモバイル向けコンテンツ事業、最も赤字なのはニコニコ超会議を含むライブ事業でした(といっても宣伝費に近いものがあるので一概に不振とは言えません)。
セグメントが多すぎて評価の難しい会社です。今後の業績牽引役は電子書籍が伸びる書籍IP事業とニコニコ関連のモバイル事業でしょう。不採算の情報メディア事業(雑誌)をどう立て直すかに今後の未来がかかっています。
今回も魅力的な企業はありませんでした。次はまた来週。