FPG

急騰急落で話題の銘柄FPGとはいかなる会社なのか知りたくて、ウェブサイトを読んでもよくわからないので前期の有価証券報告書(2014/12/22付)を読んでいる。
簡単にまとめると

○FPGは資金を調達して航空機・コンテナ・船舶といった陳腐化が少ないが高額な製品を買い、海運会社や航空会社にリースする。

○資金は7割を金融機関から借金する。残りの3割を投資用金融商品として、投資家に買ってもらう。FPGは全額金融機関から借金するよりも有利にリース品を取得できる。

○製品1つあたり「(株)SHIP第27号」などという名前の子会社を1つ作り、FPG+投資家で匿名の管理組合を設置する。投資用分譲マンションみたいな感じ。

○投資家には製品の運用によりで生じた利益を分配する。運用初期はリース料より減価償却費や支払利息が多く赤字になるため、投資家はこれを事業損失として申告して税金を減らすことができる。リースが終了したら製品を売却し、この利益も投資家に分配する。

○FPGはリース商品を投資家に売る際の手数料、投資家から徴収する運用管理料(マンションの管理費みたいなもの)、リース品賃借人へのアレンジメント料と三段階にわたって儲ける。

以上。リース商品が売れず外部に買い叩かれた時のリスクとリース品が外貨建てであるための円高リスクがある。

とても面白い企業と感じた。極端に円高にならない限りは安定して推移しそうな企業だ。また、ここ数年で資産が2倍以上になった投資家が多いだろうから、顧客もしばらくの間は離れないだろう。1/3程度暴落したのを好機ととらえ、トレダビでは963円で購入してみた。

(追記)リース品に関する情報は全く公開されていない。出資者募集のページに飛んでも詳細は不明で、「お問い合わせはこちら」とフォームが表示されるようになっており、出資しなければアクセスできなさそうだ。
例えばリース先の企業の情報がわからない。外貨建てであることから外国の企業であることは間違いなさそうだが、一体どこにリースしているのだろう。リース品によって投資家が得るリターンが具体的な実績がわからないし、リース品の売却益をどう分配しているかの情報もない。売却益を全額投資家に分配するとは思えず、管理費名目で若干ピンハネしてるのではないかな。リース品が売れず損失が出ても投資家にかぶせられるから、FPGは資金だけではなくリスクもヘッジしているようだ。投資は自己責任だから。ますます強固なモデルに思えた。

前期は営業利益率は55.3%、純利益率31.8%とぼろ儲け。損益計算書上は超優秀な数字だがキャッシュフロー計算書がとても変。税込利益32億は立派なのに商品出資金で-151億(!)のため営業キャッシュフローは-130億と大幅なマイナス、これは短期借入金85億と大幅増資の44億でカバーし、キャッシュフローはわずかにプラス2億で着地している。これだけ見ると不安になる。今期は1Q2Qまで決算書が出ているから一体どうやってやりくりしているのかチェックしないといけない。短期借入金はどうやって返したんだ?


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