昨日フィスコにレポートが上がった3902メディカル・データ・ビジョンはなかなか良さげなので、手を出してみたいが予想PER50倍。来期の会社予想成長率は7.8%なので大幅な割高に思える。ところでPER50倍というのはなぜ割高なのか。私には納得できる根拠をまだ持たないことに気が付いた。
グレアムさんの本を読んでいた時、「いまは米国債の利率が6%(1972年現在)、株価は期待リターン+インフレ率+期待値上がり率(過去10年平均)が6%なのでポートフォリオは50:50がよい」というようなことが書いてあった。金持ちがもっとお金を増やしたい。ならば利率がより高い商品を選ぶだろう。株価と債権、債権の方が儲かるなら債券を買うだろう。不動産の調子がよければそれを買うだろう。他の国の債権や株の方が儲かるならそちらを買うだろう。株の需給は、他の金融商品との比較において決まるはずだ。
すると、株の需要の決定要因は先に上げた期待リターン(配当利回り)+インフレ率+期待値上がり率、ということになる。配当利回りがそれなりのウエイトを占める。財務諸表入門(第五版) – diary 六帖の記事で書いた、日本オラクルの配当性向100%は神のように見えるが、実績PER35.1倍ということを考えると配当利回りは2.8%と高い水準だが異様に高いわけではない(当時の配当利回り平均は1.9%)。もし普通の企業のように配当性向30%なら、利回りは0.85%と非常に低くなる。配当性向100%というのは割高株がその株価を維持するためのの苦渋の選択なのかもしれない。
すると、日本の低インフレ率から考えて、無配の会社の株価は値上がり期待、キャピタルゲイン目当てだけの数字であることがわかる。比較対象となる他の商品がない場合、PERも株価も吊り上がっていくだろう。例えば3680ホットリンクなんか低迷気味なのにPER100倍だ。何らかの代替商品が出現したり会社のステージが変わっていけば、異様な高値は必ず収束していく。例えば成長率が10%まで落ちて市場が失望し、PER50→30倍まで下がったとすると1.1*30/50=66%まで下がる。1/3が吹っ飛ぶ。怖すぎる。逆に、新興企業のにも関わらず低PERかつ好業績なら、高い確率で値上がりが見込めるとも考えられる。