Amazon.co.jp: Ludwig van Beethoven, Horst Stein, Wiener Philharmoniker, Friedrich Gulda : Beethoven: Piano Sonata No. 1-32, Piano Concertos No. 1-5 – 音楽
★★★★☆(13番の2が汚いので減点)
Beethoven, Friedrich Gulda(pf): Piano Sonata No. 7-10(CD6) – diary 六帖の続きです。ピアノソナタ、中盤戦。比較的無名の11-13番の後に、「月光」の副題で有名な14番が続くという1枚。11番は3-4楽章がよいです。グルダさんの演奏はダイナミクスの幅が非常に大きいのが特徴で、ここではその良さが良く発揮されています。4楽章の16分ゾーンも燃えます。12番は1楽章を静かに始める、という初めて聴く構成。wikipediaにも載ってましたがここからベートーヴェンは古典的なソナタの形式を無視し始めます。なんで形に縛られなきゃならない、俺はやりたいようにやるぜ!というロックな思想が見えてきました。第3楽章は「葬送」の名がついてるらしく、交響曲7番2楽章を思わせるような旋律をさらに重ったるく荘厳ぶってダサオーラをまき散らすベートーヴェンらしい名曲です。4楽章も初めて聴くような形式で、ベートーヴェンの俺様道の幕開けを感じます。下降スケールの3連符が可愛いです。13番も名曲揃いで、特に第2楽章は短いくせに超絶美しい旋律が華やかに…と思ったらうるさいよ!強く弾きすぎで汚い!!!これはいただけません。曲がめちゃんこ良いのでもったいなすぎる。彼のダイナミクスの激しさが悪い方に作用している例になってしまった。このシリーズ、熱の入った演奏は異様に音が大きくなるので、グルダさんの思い入れがあったということなのかもしれないけれど、この演奏はやりすぎ。4楽章はよいです。最後に突然盛り上がって終わるところなんか一人オケって感じでよいですね。
で、間髪入れずに14番月光へ(なぜ間を空けないのか?)。私は月光の1楽章だけは弾ける、という人はいるのでは?意外にも2楽章がキュートでよいですね。3楽章目は有名すぎて語ることが何もないです。演奏もパーフェクト。