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ファリャ、アルベニス、グラナドスの3人のスペインの作曲家たちの特集。このうちファリャの「三角帽子」は自分にとって懐かしい曲だった。中学校時代、住んでいた場所はど田舎でCDショップなんぞ近くになかった。吹奏楽部の準備室にはCDが数十枚置いてあり、これまたCDショップにもあまり数のないクラシック曲が収録されたものばかりで、そこそこ値の張りそうなミニコンポも置いてあったので、時々友人とそこでCDを聞いたり、自分たちの演奏や他の学校の演奏の入ったデモテープを聞いたりしていた。「三角帽子」は入部2年前くらいに吹奏楽アレンジをして自由曲として演奏したものらしく、これもCDが置いてあった。たぶん、東京佼成ウインドオーケストラのこれじゃないかな?でも1996年発売って書いてあるから、当時はまだ発売されてないよな。するとクラシック版だったのかもしれない。で、そのCDを借りて家に持って帰って聞いて、衝撃を受けたので今でも覚えている。それまでクラシック音楽なんて眠くなる曲としか考えてなかったので、熱気と狂気に包まれているこの曲には本当に驚いた。あれから20年近く経っているので、細部が削ぎ落とされて理想化されたクオリア?だけが残っていたはずだ。
なので三角帽子の最終曲終幕の踊りのイントロがかかっただけで寒気がした。のに、その後聞いていったら、、展開がだめ!なんちゅうか、これは狂気っていうか、、トムとジェリーじゃねえか!!!!いくらアメリカの楽団だからって、これはないよ。テンポが速くて流れるようにあっちへこっちへ駆け抜けて行って情緒もへったくれもない。中盤の盛り上げ部分もボヘボヘーンって感じで拍子抜けするし、これじゃあ感動できんです。
他の曲についても、前半戦のファリャの「恋は魔術師」も全然ダメ。ソプラノははずすし、全体的にもわっと決まらないし、ストリングスが時々がっくりするくらいずれる。最終曲アルベニスの「Iberia Book4」も楽曲のポテンシャルの高さは感じられるものの金管もストリングスもずれまくり、ラストはトライアングルがあり得ないタイミングで入ってもうがっかりイリュージョンだ。800円分のがっかりだ。
特に三角帽子が許せないのでレビューを書き始めて以来はじめて最低評価の★1つとしました。リンク先のamazon.comは”VIVA! BRAVO! AND OLE, FRITZ REINER” “A magnificent disc. ” などなど絶賛レビューで埋め尽くされているがわたしゃ信じないよ!