CDレビュー: Stéphane Kerecki Quartet – Nouvelle Vague (2014)


★★★★★

ジャケ買い。音楽の内容は全く見ずに、この構図にひかれてしまった。買ってみるとジョン・テイラーさんがいたりそれなりに有名なカルテットのようだ。Nouvelle Vague というのは1950-60年代くらいのフランス映画で、このアルバムは映画音楽のジャズアレンジ、ということらしい。バンドリーダーのステファン・ケレクキさんはウッドベース担当で、かなり渋い音を聞かせてくれる。

1曲目Charlie Et Lenaはインプロが激しくわけわかめ状態だが、2曲目以降は全員が異様なくらい透き通った音を聞かせてくれて、ちょっと怖いくらいだ。オーボエのようなソプラノサックスの歌い上げがせつなく、上手に歌ってるんだけれど全く前面に出ないドラム、時々いることに気付くくらい目立たないが全体をバッチリまとめてるピアノ、ベース。この均衡が時々崩れ、そこでドキッとさせてくれる。

まず最初の山が3曲目Ferdinand。原曲の出典pierrot le fou「気狂いピエロ」はハンターハンターに念能力名で出てきた。映画のタイトルだったのね。聞いていると落ち込む。死にたくなる。映画は見たことないけど間違いなく鬱になる作品だろう。さらに4曲目La Chanson De Maxenceも序盤がダメージ高い。歌声と演奏とどちらも透明すぎる。

10曲目はなんとベートーヴェン交響曲第7番第2楽章のアレンジ。映画「王様のスピーチ」の見せ場でかかる曲なので記憶にある人も多いのでは。この曲の後半の展開部もすばらしい。

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