発見、体験、解像度

自然が多い土地で育った。山がいつも見える。虫も木も川もあった。でも自然についてあまりに無知だった。自分は自然の中にいて自然を発見していなかったのだ。
山を見れば木が生えている。雲がかかっている。森に無数の生物が暮らしている。春夏秋冬で色も生物も異なる。朝と夜でも違う。雨が上がった日は緑色が映える。
これらは発見して初めて、知識や経験となる。山が物理的スペースを占めていても、それを発見しない人間にとっては存在していないことに等しい。
あらゆる物事は無限に分割することができ、視点も無限に存在する。どのような物事でも単一ではありえない。
毎日の生活の中で、どんな単純に見える物事の中にも発見があるはずだ。
ぼんやり見ているだけの世界は単純で安定しているが平板で多様性に乏しく、そこから思考も思想も生まれない。
生活を見るための解像度を上げねばならない。あらゆる物事からできるだけ多くを感じ取り、組み合せ、混合し、総括する。
材料が多くなくては思考できない。材料は多いほどよい。混ぜる技術は訓練によって体得できるが、その前提として、物事を見る目が鋭くなくてはならない。


思考と文字と訓練

ある「考え」が頭に浮かんだ。
それは何らかの思考の過程で生まれたものかもしれないし、他との関連なく天から降ってきたものかもしれない。
いずれにしても初めの段階では、その「考え」には裏付けがない。ごく直観的なものだ。なんとなく、漠然と、全体的に、感覚的に、頭脳が言葉のピースを選択して盤上のしかるべき位置を推測して置いたに過ぎない。
裏付けるためには理性の働きが必要だ。ピースの周りを言葉を尽くして埋めていかなくては、せっかくの「考え」はただ盤上で一人きりになってしまう。そのピースは位置や向きが違うかもしれない。嵌めてみたら形が合わないかもしれない。そもそも全く別のセットから持ってきたピースかもしれない。

理性の働きを頭脳の中だけで完結させるためには高度な訓練が必要だ。まず、ある「考え」の同一性を長時間保持することは困難である。頭脳内の化学物質が流動するのと同じく、思考も流動する。理性や思考を直接見ることはできないので、その同一性を検証することは難しい。
次に、思考は一次元の線上で行うものではない。同時に複数の視点から問題を見つめなければならない。二次元、三次元、場合によっては四次元以上の並列処理が必須である。これを頭脳内で行うのは至難だ。

ここで文字の出番である。文字があってこそ、思考を固定化することができ、外部化することによって容易に客観的な検証ができる。順序の入れ替えや言葉の取捨選択も楽だし、頭脳と違って時間や時空の制限もない。文字列自体は一次元だが、二次元以上の思考は前後の文章との関連性を見る、行間を読むなどの技術によって可能になる。しかも一度書いてしまえば、紙やデータを紛失しない限り、半永久的に忘れない。文字は偉大だ。文字なくして文明なし。

頭脳の中だけで明快に思考できるようになりたいものだ。


トリガー

何か刺激がないと、思考は生まれない。刺激は外からやってくる。読んだ本、見た番組、その日起こった出来事。。しかし、内側からやってくる刺激もある。それは絶えざる内省から生まれる。あのときこうすればよかった、あの考えは今思うとおかしい、このような見方もあることに気が付いた、etc… 内側からものを考えられる人を尊敬する。

そして刺激が激しい相互作用を引き起こし細胞を活性化するためには、知識と知恵が必要だ。
無からは何も生まれない。宇宙に石を投げても、石が飛んでいく以上のことは起こらない。
しかし海に石を投げれば水面が揺れる。揺れは全方位に伝わり、さまざまな場所に影響を及ぼす。石は海の底に落ち、小さなヤドカリを眠りから覚ますかもしれない。


アイデンティティ

新・三銃士の第一回を観た。舞台はフランス、国王ルイ13世と枢機卿リシュリューの二大勢力が争う時代。主人公の父ベルトランは元々国王に仕える銃士隊の一員であったが、かつて同じ隊にいた戦友ロシュフォールは枢機卿に仕えていた。ロシュフォールは枢機卿の命令で、ベルトランを暗殺する。

主人公の父ベルトランは言う、
「国王万歳!」
かつての戦友ロシュフォールは言う、
「枢機卿万歳!」
ロシュフォールはベルトランを一突きし、ベルトランは息絶える。

このシーンが嫌いだ。どうして自分の所属する団体が、仕える人間が、その人間の生き方を決めなければならないのか?
(続く)


さまざまな逃げ

・責任から逃げる
電話に出ない。判断をしない。無批判でただ人の意見に従う。漫然と仕事をする。
・人との関わりから逃げる
相手の話を遮る。話を聞かない。イエスマン。自分から喋らない。
・自分から逃げる
自分で決めたノルマをこなさない言い訳を考える。言い訳には全力を尽くす。考えることをやめて眠る。昔の自分を否定する。今の自分も否定する。自己像が常にネガティブ(心の奥底では尊大)。

こうして心の筋肉をやせ細らせてストレス耐性がなくなるので、ますます逃げる。


思考を明確に

頭で考えているだけではいけない。
頭の中では、論理的な短絡や思い込みを除外することが難しい。独りよがりになる可能性が高い。
また、前に考えていたことを思い出したり、直前に考えていたこととの整合性を取ることも難しい。
自分がそれができるスーパー人間ならいいんだけれど、できない。
一度文章にすることで、考えを客観的な形にすることが出来る。形にしたものは、検証がたやすい。自分に対する第三者の目を容易に作ることができる。
他人の書いたものを読み自分の糧とするだけでなく、以前自分が書いたものも自分の糧にできれば、と思う。自画自賛ではなく、批判の材料として。
未来の自分に値するものを、たくさん書きたい。


Atoms for Peace – 1953/12/08, United Nations General Assembly

Our subject was some of the problems that beset our world.

  • beset

〜を悩ませる、包囲攻撃する、襲撃する、包囲する、取り巻く、〜に付きまとう

At the same time that I appreciate the distinction of addressing you, I have a sense of exhilaration as I look upon this Assembly.

  • exhilaration

ウキウキした気分

Your deliberations and decisions during these somber years have already realized part of those hopes.

  • somber

〔色・明るさが〕地味な、くすんだ、薄暗い
○〔様子・雰囲気が〕陰気な、憂うつな、陰うつな、重苦しい、顔を曇らせた
〔態度などが〕厳粛な、粛々とした、堅苦しい

And in the confident expectation of those accomplishments, I would use the office which, for the time being, I hold, to assure you that the Government of the United States will remain steadfast in its support of this body.

  • steadfast

〔物の位置が〕固定した
○〔意志・決意・信念などが〕確固たる、不動の、しっかりした
〔人などに〕忠実な、忠誠な

Clearly, it would not be fitting for me to take this occasion to present to you a unilateral American report on Bermuda.

  • unilateral

一方的な、片側だけの、一方の、片側性の

Nevertheless, I assure you that in our deliberations on that lovely island we sought to invoke those same great concepts of universal peace and human dignity which are so cleanly etched in your Charter.

  • charter

憲章、設立趣意書◆組織の目的や信念などを定めたもの。

Neither would it be a measure of this great opportunity merely to recite, however hopefully, pious platitudes.

  • recite

○暗唱する、復唱する、朗読する、朗唱する、吟唱する
物語る、話す、列挙する

  • pious

〔人が〕信心深い、敬けんな
○〔言動などが〕信心(家)ぶった、偽善的な、善意を装った、宗教にかこつけた
〔芸術などが〕宗教的な

  • platitude

陳腐[平凡](な言葉)

I therefore decided that this occasion warranted my saying to you some of the things that have been on the minds and hearts of my legislative and executive associates,…

  • legislative

立法の、法律を制定する
立法化された
立法権がある
○立法府の、議会の

The atomic age has moved forward at such a pace that every citizen of the world should have some comprehension, at least in comparative terms, of the extent of this development, of the utmost significance to everyone of us.

  • comparative

〔他と比較して〕相対的な、かなりの
○《言語学》〔形容詞や副詞が〕比較級の

  • utmost

○最大限の、最上の、極度の、最高の
一番端の

My recital of atomic danger and power is necessarily stated in United States terms, for these are the only incontrovertible facts that I know.

  • recital

リサイタル、朗読、独奏会、独演会、独唱会
詳説、備考

  • incontrovertible

論争の余地のない

A single air group, whether afloat or land based, can now deliver to any reachable target a destructive cargo exceeding in power all the bombs that fell on Britain in all of World War II.

  • afloat

浮かんで、浮動して、船上に、海上に、流布して、広まって、流通して

The development has been such that atomic weapons have virtually achieved conventional status within our armed services.

  • conventional

伝統の、伝統として確立された、従来続けられている、標準となった

During this period the Soviet Union has exploded a series of atomic advices — devices, including at least one involving thermo-nuclear reactions.

  • advice

〔伝達される〕情報◆通例advices

Second, even a vast superiority in numbers of weapons, and a consequent capability of devastating retaliation, is no preventive, of itself, against the fearful material damage and toll of human lives that would be inflicted by surprise aggression.

  • retaliation

仕返し、報復、返報◆【同】revenge

  • inflict

〔相手にとって嫌なこと・苦痛になることを〕与える、押し付ける、課する、負わせる◆【名】infliction(刑罰)◆【形】inflictive(苦痛の)

The free world, at least dimly aware of these facts, has naturally embarked on a large program of warning and defense systems.

  • dimly

薄暗く、おぼろげながら

But let no one think that the expenditure of vast sums for weapons and systems of defense can guarantee absolute safety for the cities and citizens of any nation.

  • expenditure

出費、支出すること

The awful arithmetic of the atomic bomb does not permit of any such easy solution. Even against the most powerful defense, an aggressor in possession of the effective minimum number of atomic bombs for a surprise attack could probably place a sufficient number of his bombs on the chosen targets to cause hideous damage.

  • aggressor

攻撃者、侵略者、侵略国

To pause there would be to confirm the hopeless finality of a belief that two atomic colossi are doomed malevolently to eye each other indefinitely across a trembling world.

  • colossi

(colossusの複数形)巨人、巨像、巨大なもの、大国

  • doom

○〔悪い方向へ〕運命づける
〔失敗などを〕決定的なものとする
〔望みを〕くじく、なくさせる
〜に判決を下す、(刑の)宣告を行う

  • malevolently

邪悪に、悪意に満ちて、人の不幸を願って

To stop there would be to accept hope — helplessly the probability of civilization destroyed, the annihilation of the irreplaceable heritage of mankind handed down to use generation from generation, and the condemnation of mankind to begin all over again the age-old struggle upward from savagery toward decency, and right, and justice.

  • annihilation

全滅、絶滅、壊滅

  • irreplaceable

掛け替えのない、替えがきかない、代わりがきかない

Surely no sane member of the human race could discover victory in such desolation.

  • desolation

荒らすこと、荒廃、荒れ地


The Great Gatsby – Chapter 1

We’ve always been unusually communicative in a reserved way.

  • reserved

〔性格が〕控えめな、遠慮がちな、謹厳な、自制心が強い、つつましい◆shyと違って、本人の意志を含意

In consequence I’m inclined to reserve all judgements, …

  • inclined to

《be 〜》〜したいと思う、〜する傾向がある

The abnormal mind is quick to detect and attach itself to this quality when it appears in a normal person.

  • attach A to B

AをBに付ける[添付する]

Most of the confidences were unsought–frequently I have feigned sleep, preoccupation or a hostile levity when I realized by some unmistakable sign that an intimate revelation was quivering on the horizon–for the intimate revelations of young men or at least the terms in which they experss them are usually plagiaristic and marred by obvious suppressions.

  • feign

〜を装う、〜のふりをする、〜を見せかける、でっち上げる

  • levity

○軽率、場違いな陽気さ、無思慮
軽さ◆重量の

  • revelation

○〔隠れているものを〕見せること◆【動】reveal
明らかになること、暴露、口外、発覚、摘発
暴露されたこと[もの]、驚くべき新事実、意外な新事実、実態、実情、現況
啓示、黙示、お告げ、天啓

  • quiver

震える、揺れる、〔筋肉が〕けいれんする、わななく、おののく

  • plagiaristic

(plagiarism)盗作、盗用、剽窃

  • mar

(完全さを)損なう、〜を(ひどく)傷つける、台無しにする、傷物にする、損なう

  • suppression

抑圧、抑制、抑えること、鎮圧、鎮静、弾圧、禁止、隠すこと

Reserving judgements is a matter of infinite hope.

  • reserve

留保する

.., a sense of the fundermental decencies is parcelled out unequally at birth.

  • decency

礼儀、品の良さ、良識、慎み

  • parcel

〜を包み[小包]にする
○〜を分配する

And, after boasting this way of my tolerance, I come to the admission that it has a limit.

  • boast

〜を誇りにする、〔主語の〕自慢は〜である

  • admission

〔事実であることの〕承認、了解

I wanted the world to be in uniform and at a sort of moral attention forever.

  • attention

《軍事》気を付けの姿勢

I wanted no more riotous excursions with privileged glimpses into human heart.

  • riotous

大騒ぎの、騒々しい、飲み騒ぐ、暴動の、暴動を起こす、羽目を外した

  • excursion

遠足、小旅行、修学旅行、周遊、遊覧、割引往復(周遊)旅行、(遊覧)旅行団体◆短期の団体観光旅行。

  • glimpse

チラッと見ること、一目、ちらりと見えること、一瞥、垣間見ること

Gatsby who represented everything for which I have an unaffected scorn.

  • unaffected

影響を受けない、病気に掛からない、心を動かされない
○?気取っていない、わざとらしさがない、まじめな

  • scorn

軽蔑、冷笑、軽蔑の的、あざけり

…, as if he were related to one of those intricate machines that register earthquakes ten thousand miles away.

  • intricate

入り組んだ、込み入った、もつれた、錯綜した、複雑な、難解な

  • register

〜を正式に記録する、登録する、記名する

This responsiveness had nothing to do with that flabby impressionability which…

  • impressionability

(impressionable)感じやすい、感受性の強い、影響を受けやすい

…, a romantic readiness such as I have never found in any other person…

  • readiness

用意ができていること、準備(ができていること)、迅速、即座、快諾、喜んでする気持ち、すばやさ

No–Gatsby turned out all right at the end; it is what preyed on Gatsby, what foul dust floated in the wake of his dreams that temporarily closed out my interest in the abortive sorrows and short-winded elations of men.

  • prey on

〜を餌食[食い物・犠牲]にする、〜を捕食する

  • foul

不潔な,汚い,汚れた(⇔clean)〔with〕《◆dirtyより強意的》

  • in the wake of

○〜の跡を追って[つけて]、〜に倣って、〜に続いて、〜の後(で)、〜を受けて、〜の影響が残る中(で)、〜をきっかけに、〜に刺激[触発]されて
〜の結果(として)、〜があった[起こった・分かった]今[この時点で]

  • abortive
  • short-winded
  • elations

My family have been prominent, well-to-do people…

  • prominent

…and started the wholesale hardware business that my father carries on today.

  • wholesale

hard-boiled painting that hangs in Father’s office.

  • hard-boiled

…, and a little later I participated in that delayed Teutonic migration known as the Great War.

  • Teutonic

Prologue

page 2
They were an essential kind of pants–jeans, naturally, blue but not that stiff, new blue that you see so often on the first day of school.

  • stiff

堅い、固い、こわばった、ゴワゴワする

They were a soft, changeable blue with a little extra fading at the knees and the seat and white wavelets at the cuffs.

  • changeable

変わりやすい、気まぐれの、移り気な

  • fading

徐々に色あせる、消えていく

  • seat

〔ズボンなどの〕しりの部分

  • wavelet

小波、小さい波、さざ波

I guess a thrift shop is like the pound in some ways.

  • thrift shop

リサイクルショップ、中古品店、古道具屋、古物商

Our pants weren’t like the neurotic puppy whose parents left it alone, barking itself hoarse from morning till night.