書籍レビュー: 社会リズムを安定させる『対人関係療法でなおす 双極性障害』 著:水島広子

★★★★☆

 

双極性障害は概日リズムに大きな影響を受けます。一度睡眠不足になると大抵は躁の症状が出るので、睡眠時間の確保が重要となります。

本書はさらに「社会リズム」という概念を導入し、転居・トラブル・人間関係のストレスなどをリズムの乱れとみなして、躁うつエピソード再発のリスク要因ととらえます。

双極性障害の患者さんは、感情の振れ幅が大きくそれに振り回されます。それは病気の症状なので仕方のないことです。ですので、感情を安心して表出できる環境を作ることが必要です。例えば「前向きに頑張って」とか「笑っていてほしい」などという言葉は、「後ろ向きになるな」「悲しむな」と言う意味になりますので言語道断でダメです。

SRM(ソーシャル・リズム・メトリック)という社会リズム管理表をつけることを推奨されています。f:id:Lithium_carbonate:20140722201446j:plain

社会リズム療法 – Lithium-carbonate’s Blog

この表、生活時間帯が固定化され過ぎていて窮屈ですね。安定はするのでしょうけれど、これを守ること自体がストレスになるような気がします。

 

タイトルの「なおす」というところに違和感がありましたが、読み進めると「なおす」のではなく「症状を和らげる」ための本であることが分かりました。疑問点はいくつかありますが著者の人に寄り添う気持ちが感じられる本です。

 

 

 

 


書籍レビュー: 社会リズムを安定させる『対人関係療法でなおす 双極性障害』 著:水島広子」への2件のフィードバック

  1. 言及ありがとうございます。
    実際にSRMをつけてみての感想ですが、1、2か月で飽きてめんどくさくなって放り出してしまいました(笑)。
    今は睡眠覚醒リズム表だけつけてます。

  2. こんにちは、勝手に画像を借りちゃってすみません。
    やっぱり面倒になりますよね。
    生活時間をジャンル分けして、色で塗る形式についても聞いたことがあります。
    こういうのスマホアプリでできたら楽になるかもしれないなーと思いました。
    最低でも睡眠時間を管理できると便利ですよね。

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