CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition – Vingt Regards sur l’Enfant-Jesus (CD3, 4)

★★★★★=͟͟͞͞(✹)`Д´)

 

3,4枚目は「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」という邦題です。メシアンは作曲家であるとともに神学者ですので、超敬虔なキリスト教徒でキリストが主題の曲も沢山作曲しています。なにしろ彼への眼差しを想像するだけで2時間に及ぶ大曲を作ってしまうほどなのですからその信仰の深さたるやどれほどのものでしょう。

20曲の邦題は次の通りです。

1. 父の眼差し
2. 星の眼差し
3. 交換
4. 聖母の眼差し
5. 子を見つめる子の眼差し
6. それに全ては成されたり
7. 十字架の眼差し
8. 高き御空の眼差し
9. 時の眼差し
10. 喜びの聖霊の眼差し
11. 聖母の初聖体
12. 全能の言葉
13. 降誕祭
14. 天使たちの眼差し
15. 幼子イエスの接吻
16. 予言者たち、羊飼いたちと博士たちの眼差し
17. 沈黙の眼差し
18. 恐るべき感動の眼差し
19. 我は眠っているが、私の魂はめざめている
20. 愛の教会の眼差し

イエスの誕生日と言われているクリスマスに何となくノリでクリスマスソングをかけたり、「聖夜」のイメージだけでイチャイチャしたりそれに嫉妬したりするライトユーザー日本人から見るとドン引き間違いなしのタイトルが勢ぞろいです。

しかし欧米人の多くの人にとっては神が存在するかどうかは死活問題ですから、これくらい真面目に考える方が健全なのです。イエスのことを思って思って苦しみぬき絞り出した慈愛に満ちた曲がこれらと考えました。言い換えるとイエス好き好き大好き俺どうにかなっちゃうぜという曲です。

理解不能な生の迫力

内容は、、意味が分からないがすごい!!音楽理論はまったく理解できませんがそれだけ全体に漂う愛と死と迫力だけが生々しく伝わってきます。むしろ耳に馴染みのある音がほとんど排除されてますので、それらから生じる経験的な観念がノイズとなって邪魔をせず、彼の伝えたいこと(具体的には「イエス愛してる!イエス偉大!イエス見守ってるよ!」)がダイレクトに耳に入ってくるのかもしれません。音楽だけに言葉で伝えるのがあほくさい。単に前衛的なだけだったら以前に聴いたドナウエッシンゲン音楽祭のボックスセット(一番下のリンクから飛べます)のように乱雑過ぎて感想も抱けないようなめちゃめちゃな曲ばっかになりますが、それらとはまた質が大きく異なる曲集でした。

10分程度の長めの曲がどれもこれも優れています。6,10,14,15,19,20曲目あたりです。特に最終曲「愛の教会の眼差し」は久しぶりに音楽を聴いていて涙が出ました。クラシック部門だと最も感動した曲にランクインです。なぜって言われると理由は答えられませんわかりません。演奏者の気迫によるところも大きいように思います。

 

最終曲。ボックス収録と同じピアニストだけど録音は違うっぽい

www.youtube.com

ピアニストはイエス好き好き人間なんでしょうか。

 

イエスの曲のはずなのにところどころ鳥の鳴き声を入れるメシアンさんパネーっす。っていうか、ここまでの鳥へのこだわりようは異常です。たぶん少し自閉症入ってると思います。だから余計自分にマッチしたのかもしれません。なお13曲目の原題は「Noel」ですからこれはクリスマスそのまんま、なんとクリスマスソングでした!!まじか

 

 

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